シエスタ(siesta)

スペインの特徴的な習慣としてあげられるのが「シエスタ(siesta)」です。シエスタとはスペインにおいて、昼食後の休憩時間を意味する言葉。今回のコラムでは、スペインにおけるシエスタ制度に焦点を当てながら、典型的なスペインのライフスタイルについてご紹介します。

スペインのライフスタイル

スペインでは日本よりも遅い時間に昼食をとります。食後にはシエスタの時間に入り、くつろぎながら読書をする人もいれば、お昼寝をする人もいます。シエスタの時間は基本的に14時~17時までで、街にあるほとんどのお店や会社も休業時間となります。昼にしっかり休憩をとった分、夜の就寝時間が遅いのも特徴のひとつ。合計の睡眠時間はシエスタの習慣がない日本人と変わりません。

観光の際には注意が必要

デパートや高級ブティックなどの一部の店舗を除いて、ほとんどのお店がシエスタのあいだ営業をしていないので、観光のプランを立てる際に留意する必要があります。 また、シエスタの時間は人通りが少なくなるので治安にも気をつけてください。バルセロナやマドリードといった大都市になるほど治安が悪く、日本人のスリや置き引きの被害が多く報告されています。せっかくの観光を楽しむためにも防犯対策はしっかりとしてください。

シエスタが廃止される?!

スペイン人が長年慣れ親しんできたシエスタですが、最近になってこの習慣を見直す動きが見られるようになりました。 EU統合といった背景から、他の国の労働時間に合わせようと2006年からは公務員のシエスタ制度が廃止されています。また、習慣生産性向上・雇用創出という目的を達成するために、スペインの議会委員会からは9時から17時までを標準労働時間として規定しようと提案がされています。 この動向には、「固有の文化を捨てることになる」「家族との時間が少なくなり生活の質が下がる」といった批判の声があがっていますが、一方で「グローバル化が進む中で経済活動の促進につながる」「より多くの観光客を迎えることができる」といった肯定の声もあり、今度の動向に注目が集まっています。