スペインの食文化【第4回】

最近になって日本でも人気の出てきたスペイン料理。食事とお酒を楽しみにスペインバルに足を運ぶという方も少なくないでしょう。
スペインでは地方によって様々な伝統料理があります。今回はそのなかでも、大都市のひとつであるバルセロナの位置するカタルーニャ州の料理についていくつか代表的なものをご紹介いたします。

カタルーニャ州

カタルーニャ州は州都にバルセロナを要し、スペインの北東部、ピレネー山脈の南に位置する自治州。

現在もスペインのなかにあってカタルーニャ語が使い続けられるなど、独自の文化が根強く残っている地方です。地中海に面しており、温暖な気候がその特徴。カタルーニャ料理は山や海の幸に富み、シンプルで素材の旨みを生かしたものが主流です。スペインにはミシュランガイドで最高評価の三つ星のレストランが7店ありますが、そのうち3店が
カタルーニャ地方に所在しています。

伝統料理

・パン・コン・トマテ(Pan con Tomate)

トーストに完熟トマトを塗り、オリーブオイルをたらしたシンプルな前菜料理。朝食やランチ、軽食の際に好んで食べられるカタルーニャの名物です。生ハムとよく合うことからお酒のおつまみとしても人気。

・マル・イ・モンターニャ(Mar y montana)

名前のとおり海と山の幸を盛り合わせたカタルーニャ地方ならではの伝統料理。海老や貝と鶏肉または豚肉の組み合わせがスタンダードなようです。

・エスケシャーダ(Esqueixada)

スペインで最もポピュラーな魚のひとつである鱈。エスケシャーダは塩抜きをした干し鱈のマリネをベースにしたサラダです。ピーマンやトマト、タマネギ、オリーブと一緒にドレッシングで和えていただく伝統料理。

・ブティファラ・コン・モンジェタス(butifarra con monjetas)

ブティファラという豚の腸詰めと白いんげん豆の付け合せがカタルーニャ地方の肉料理の定番。ニンニクとオリーブオイルで作ったアリオリというソースとあえて食べるのがおすすめです。