スペインの食文化【第5回】

最近では日本でもすっかり馴染みとなったスペイン料理。おしゃれで気軽に食事とお酒を楽しむことができるスペインバルが人気です。 スペインにはそれぞれの地方に伝わる様々な伝統料理があります。今回はおよそ80万人の人口を要し、スペインで3番目に大きな都市であるバレンシアの郷土料理について代表的なものをご紹介いたします。

バレンシア州

バレンシア州は州都にバレンシアを要し、アラゴン州とカタルーニャ州の南、カスティーリャ=ラ・マンチャ州の東、ムルシア州の北に位置する自治州。

州都のバレンシアは、スペインの三大祭りのひとつに数えられる火祭り(Las Fallas)が開催されることで有名です。街には世界遺産をはじめとした歴史的な建造物が並んでおり、博物館や美術館の観光もおすすめ。 温暖な地中海性気候で雨が少なく一年を通して過ごしやすいのも特徴の一つ。野菜やフルーツ、地中海の魚介類に恵まれた地域です。

伝統料理

パエージャ・バレンシアナ(Paella valenciana)

日本で最も馴染みがあるスペイン料理と言っても過言ではないのがパエリアです。魚介や肉、野菜、米などをオリーブオイルで炒めてから、サフランの風味を効かせたスープで炊き込んだ料理。バレンシア地方が発祥の地で、パエリアの祭りもあります。

・フィデウア(Fideuà)

パエリアとよく似ていて、米の代わりに短いパスタを使用した料理です。お店によって使うパスタの種類が違ったり、具材が違ったりするので自分好みの味を探すのも楽しみの一つです。

・オルチャタ(Horchata)

夏になるとスペイン人が好んで飲むのがオルチャタという冷たい飲み物。キハマスゲの地下茎(チュファ)を絞った知るに水や砂糖をミックスしたドリンクでミネラルがとても豊富。子どもや妊婦さんの暑さ対策にもなるようです。