スペインの音楽

様々な人種や文化が混ざり合うスペインは、多様な気候や風土と相まってこれまで独自の文化を形成してきました。今回のコラムではそのなかでも、特にスペインの音楽に焦点を当ててご紹介いたします。

声楽

スペインのクラシック音楽の中で世界的に注目を集めているのが声楽の分野です。特に世界三大テノールと呼ばれる歌手のうち、プラシド・ドミンゴとホセ・カレーラスの2人がスペイン出身なのは日本でもよく知られています。

国内には声楽を後進に伝えていくための音楽院があり、音楽留学のために世界中から人が集まっています。生徒たちは日々、心血を注いでレッスンに励み、コンクールに出場して活躍しています。 観光の際にはヨーロッパの三大オペラ劇場のひとつに数えられるバルセロナのリセウ劇場(EL GRAN TEATRO DEL LICEU )でのオペラ鑑賞がおすすめ。

フラメンコ

情熱の国スペインのキャッチフレーズにふさわしい伝統的な音楽舞踊として、南部のアンダルシア地方に由来するフラメンコがあります。ステージでは荒々しく演奏されるフラメンコギターと力強い歌の演奏に合わせて、鮮やかな衣装に身をまとった踊り子が情熱的な舞を繰り広げます。

多くの観光客はタブラオと呼ばれる、店内に舞台がありフラメンコショーを開催しているレストランシアターで食後にお酒を楽しみながら観劇します。ショーの最中には「ブラボー!」「オーレ!」といった掛け声をステージ上のアーティストに投げかけることで、積極的に場を盛り上げて楽しむことができます。


※フラメンコギター 伝統音楽のフラメンコの伴奏をするのに欠かせないのがフラメンコギターです。主にマホガニーの木材を使用して制作されたギターに、テンションの弱いナイロン弦を張ってあるのが特徴。 外見がクラシックギターと似ているため混同されることが多くありますが、その違いは裏板と側板にシープレスのような比重の軽い木材を使っているという点。より歯切れの良い音色が特徴で、演奏方法や使われる音階はまったくの別物です。